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ISBN 10 : 4905254140

Content Description
1974年にアメリカに移住し、70年代末からマンハッタンやニューヨーク近郊の都市景観を30年にわたって撮影してきた写真家・野上眞宏は、近年その主要な作品群を次々と写真集にまとめている。本書『METROSCAPE 2』はその最新刊。大型カメラでとらえられた「一見荒涼とした風景」の写真群は2001年から2005年にかけてブルックリン、クイーンズ、ブロンクス地区で撮影されている。同じ時期にマンハッタンの繁華街で撮影した『METROSCAPE』に続いての刊行。
80年代初頭からこのような倉庫や工場の多い地区の光景に惹かれていた野上は、その魅力を次のように語る。「建てられた時代も用途もまちまちな異なる建築スタイルのビルが、それぞれ違う味わいの褪せた色で立ち並ぶ風景――傷んだレンガやスクラッチタイルの外壁、なぜか派手な色でペイントが施された老朽化したビル、いつ描かれたか定かではないグラフィティ、そして路上のゴミまでもが不思議なハーモニーを奏でていました。それぞれがそれぞれの事情でその佇まいとなった建物たちが無秩序に軒を連ねた一帯は、まるで超現実的な〈自然公園〉みたいだなあと心を打たれました。人間の意図や思惑とは無関係に、人間の無意識領域が、いたって自然に、この絶妙な組み合わせの風景を構成したように感じたのです」。(本書前書きより)
やがて失われることになるであろう「いま」を写真にとどめておくことを常に意識してきた野上の視線の先にある風景は、いつもどこか寂しげでありながら魅力を放ち、幻想世界の街並みがそこに新たに見出されているかのようだ。本書巻末エッセイ「物語はディテールに宿る」では、写真家としての長いキャリアを通して、野上がいかに大型カメラ(8×10)で被写体を緻密にとらえていくことを目指したかを知ることができる。
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