ハイスタショック再び!!
再始動後の第2弾はカバーシングル!
10月5日、Hi-STANDARD16年振りとなる4曲入りCDシングル「ANOTHER STARTING LINE」が突如として店頭に並んだ。
完全なるノンプロモーションでの発売である。インターネットが発達した現代において他に例を見ないリリース方法に日本中がド肝を抜かれ、彼らが起こしたサプライズとそれに伴うキッズの熱狂ぶりは、普段パンクとは全く縁のない大手メディアまでもが取り上げた。
多くのパンクキッズが快哉を叫んだのはそのリリース方法に対してだけではない。16年振りに届けられた4つの新曲は、決して“あの頃”の焼き直しではなく、2016年を生きる3人の男たちがかき鳴らす最新型のパンクサウンドだったのだ。結果として、翌週発表されたオリコンシングルウィークリーチャートでは1位を獲得し、現在までに30万枚近いセールスを叩き出している。
そう、名実ともに“俺たちのハイスタ”が帰ってきたのだ。
そして今回、たった2ヶ月というバンド史上最短のペースで発表されるのが、このカバーシングル「Vintage & New, Gift Shits」。
直訳すると“ヴィンテージと新品、くだらない贈り物”と名付けられた本作に収録されるカバーソングは4曲。そのうち2曲は、1997年1月に7インチでリリースされた「MONEY CHANGES EVERYTHING」(原曲:The Brains)と、同年12月にリリースされたドイツのパンクバンドWIZOとのスプリットシングルに収録されていた「HAPPY XMAS (WAR IS OVER)」(原曲:John Lennon)。
両曲ともに20年近くの時を経て実現した待望のCD化となる(WIZOとのスプリットシングルはドイツ盤としてCD化済み。現在廃盤)。
当時、どちらの作品も事前告知なしで店頭に並んだものの、あっという間に棚から姿を消した。そのためどちらもかなりレアな音源となっていたが、多くのパンクキッズに20年もの間愛され続けているパンクカバーのお手本のような楽曲だ。パンク系のDJイベントやテレビなどで耳にしたことがある人も多いだろう。
そして、今回新たに制作されたカバーソングは「I Get Around」と「You Can't Hurry Love」の2曲。
「I Get Around」はThe Beach Boysによる初の全米ナンバー1ヒットだ。冒頭のコーラスワークや緩急をつけたパンク的展開がいかにもHi-STANDARDらしいカバーに仕上がっている。その一方で、ひとつひとつのフレーズやアンサンブルをはじめ、プレイの細部にわたって気が配られている点は、今の彼らならではといえるのではないか。
もうひとつの新録カバー「You Can't Hurry Love」は、モータウンを代表する女性3人組グループThe Supremesが1966年に発表したヒットソング。「恋はあせらず」という邦題でも知られており、1986年にリリースされたPhil Collinsによるカバーバージョンも有名だ。
ハイスタの3人は、このモータウンビートが特徴的な楽曲をストレートなパンクアレンジで料理した。しかし、歪みの効いたギターが楽曲を先導する裏で巧みに変化していくリズムパターンは実に多彩だし、原曲にはないちょっとした味付けが楽曲の魅力をグッと高めている。他のパンクバンドの追随を許さない3人の圧倒的なセンスはこういったところで光るのだ。
今作リリース前の12月3日からは、東北と北陸の4ヶ所を回るショートツアー「GOOD JOB! RYAN TOUR 2016」がスタート。
そして、12月23日には福岡ヤフオク!ドームにて「AIR JAM 2016」が開催される。2011年からジワリジワリとギアを上げてきたHi-STANDARDの活動はいよいよもって本格化。この3人によって、日本のパンク史は再び塗り替えられようとしている――。
(メーカーインフォメーションより)
カヴァー4曲を収録。ビーチ・ボーイズの「I GET AROUND」とシュープリームスの「YOU CAN'T HURRY LOVE」は新録、ブレインズの「MONEY CHANGES EVERYTHING」とジョン・レノンの「HAPPY XMAS」は90年代の既出音源で、成熟と勢いの違いも楽しめる一枚だ。(行)(CDジャーナル データベースより)